違法残業で大手旅行会社を書類送検 度重なる是正勧告無視

「大手旅行会社が従業員に違法な残業をさせていたとして、所轄の都道府県労働局が、6月14日、労働基準法違反の容疑で、営業担当の幹部と法人としての同社を書類送検した」という報道がありました。
同社の違法残業については、平成22年~27年の間に、各地の労働基準監督署が是正勧告を約10回行っており、昨年7月には、「過重労働撲滅特別対策班(通称かとく)」も動き、強制捜査を実施。書類送検は時間の問題と思われていました。

今回の送検の容疑は、36協定で定めた上限を超えて違法な長時間労働をさせた疑い。繁忙期に、従業員2人に対し、最大で月約100~110時間に及ぶ時間外労働をさせていたとのことです。

本年5月から、厚生労働省のホームページに、労働基準関係法令違反で書類送検を行った企業の名称などを公表する制度が開始され、世間の注目を集めていますが、今回、書類送検された企業も、当然、そこで公表されることになりそうです(更新は1か月ごと)。
ブラック企業リストとも言われており、そこで公表された企業は、イメージダウンなどの社会的制裁を受けることになります。
やはり、法令遵守の意識は重要ですね。
労働時間関係のルールについては、少なくとも、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日策定)」を遵守する必要があります。

〔確認〕上記のガイドラインのリーフレット
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/151106-06.pdf
参考:労働基準関係法令違反に係る公表事案(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/170510-01.pdf