「令和3年版 過労死等防止対策白書」を公表 精神障害による自殺事案は発病から6日以内が約半数(厚労省)

 厚生労働省から、「令和3年版 過労死等防止対策白書」が公表されました(令和3年10月26日公表)。この白書は、過労死等防止対策推進法に基づき、国会に毎年報告を行う年次報告書です。6回目となる今回の白書の主なポイントは以下のとおりです。

1.本年7月30日に閣議決定された「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(以下「大綱」という。)の変更経緯やその内容について報告。
2.大綱において定める重点業種等のうち、自動車運転従事者、外食産業に関する労災認定事案の分析など、 企業における過労死等防止対策の推進に参考となる調査研究結果(新型コロナウイルス感染症の影響を含む)を報告。
3.長時間労働の削減やメンタルヘルス対策、国民に対する啓発、民間団体の活動に対する支援など、昨年度の取組を中心とした労働行政機関などの施策の状況について詳細に報告。
4.企業でのメンタルヘルス対策や勤務間インターバル制度の導入など、過労死等防止対策のための取組事例をコラムとして紹介。

 詳細をみると、次のような過労死等をめぐる調査・分析結果も報告されています。

<精神障害事案のうち自殺事案について>
●自殺事案(未遂を除く。以下同じ)について、自殺の時期を曜日別にみると、「月曜日」 (17.5%)が最も多かった。
●自殺事案を発病から死亡までの日数別にみると、「6日以下」が47.3%であった。
●自殺事案について、労災認定の疾病に関して、医療機関への「受診歴なし」が64.0%であった。特に、「極度の長時間労働」があった事案については、医療機関への「受診歴なし」が76.1%であった。
※平成24年4月から平成30年3月までに労災認定された自殺事案を抽出・分析。

 このうち、「自殺事案を発病から死亡までの日数別にみると、「6日以下」が47.3%であった」という部分が、報道で頻りに取り上げられていました。厚生労働省では、「過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会」の実現に向け、引き続き過労死等防止対策に取り組んでいくこととしています。

 詳しくは、こちらをご覧ください。

<「令和3年版 過労死等防止対策白書」を公表します>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21805.html