雇用調整助成金の不正受給、給与のデジタル払いについて質疑応答(厚労相の会見)
令和3年4月6日の会見において、報道などで話題となっている「雇用調整助成金の不正受給」、「給与のデジタル払い」について、記者からの質疑がありました。
これについて、厚生労働大臣は、次のようにコメントしています。
●雇用調整助成金の不正受給について
記者:
雇用調整助成金についてお尋ねします。各地で、不正受給が相次いで2億円を超えるという報告があります。厚生労働省としてこの事案についてどのように把握するかということと、それに対する対応をお願いします。
大臣:
不正受給、計44件ですかね。2.7億円となっております。あわせて、審査の結果で不支給とした件数、つまり支給はしていないけれども、審査の時点でこれはちょっと不正に助成金を受給しようとしているのじゃないかということで不支給とした件数、これが37件、金額が4.3億円ということでございます。
こういう不正をやられることは非常に遺憾であります。雇用を守るという観点からこの支給をしているわけなので、是非とも、不正申請を止めていただきたいということと同時に、見つかれば当然のごとく不正に受給された金額、これは返還されるわけであります。
これには延滞金も当然かかります。あわせて、この当該返還金、返還を求めた金額ですね、これの2割相当の額、この額も請求をさせていただくことになります。
さらに5年間は、雇用調整助成金の申請をできなくなりますので、そういう意味では、不正をされれば、それだけの対応をこちらもさせていただきます。これは、不正は許されないことでございますから、是非そういう行為は止めていただきたいということであります。
●給与のデジタル払いについて
記者:
給与のデジタル払いについてお伺いします。今後、いつぐらいを目途にどのような制度設計をお考えなのかお聞かせください。
大臣:
規制改革推進会議の投資等ワーキングで議論をいただいているということでございまして、資金移動業者の口座への賃金の支払い、これの議論をその中でされたと承知しております。
2020年度のできるだけ早期の制度化を図るとされ、この成長戦略でフォローアップはなされているということでありますが、閣議決定した期限は過ぎるわけでありますけれども、引き続き労働政策審議会等でこれを議論して2021年度できるだけ早い時期に、最終的に制度化をしていきたいというふうに思いますが、やはりこれは利便性の問題もありますし、安全性の問題もあります。
当然のごとく、電子マネーというような話のみならず、現金で引き出せなければいけないので、それぞれ口座から現金でお引き出しいただくということも必要になってきます。その支払いができるそれぞれの企業のお店がないところでは生活ができなくなってしまいますから。
その場合、どれくらいの現金を出せる利便性があるかという問題、それから当然銀行もそうなのですが、いろいろとネット上でやり取りする場合に、アカウントが乗っ取られるなどいろいろな問題がありますから、そういうものを防げるかどうかというセキュリティの問題。
そういう部分も、しっかり議論をしていただいた上で最終的に判断していくということであります。
雇用調整助成金の不正受給については、いわゆる3倍返しのことにも触れています。
当然のことですが、適切な申請を心がける必要がありますね。
給与のデジタル払いについては、問題が山積という感は否めません。
これが払拭できるのか? 動向に注目です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<田村大臣会見概要(令和3年4月6日)>
https://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000194708_00338.html