過労死等に関する調査研究の結果を報告(厚労省)
厚生労働省は、8月10日、平成28年度「過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業」の報告書を取りまとめ、公表しました(この事業は委託事業で、委託先はみずほ情報総研株式会社)。
この調査研究は、「過労死等の防止のための対策に関する大綱(平成27年7月24日閣議決定)」において、過労死等の発生要因は明らかでない部分が少なくないため、実態解明のための調査研究が早急に行われることが重要であるとされていることから、平成27年度から実施されているものです。
また、同大綱では、過労死等の全体像を明らかにするためには、雇用労働者のみならず法人役員・自営業者も調査を行う必要があることや、自動車運転従事者、教職員、IT産業、外食産業、医療など、過労死等が多く発生しているとの指摘がある職種・業種について、より掘り下げた調査研究を行うことが必要であるとされています。
こうしたことから、平成28年度は、自動車運転従事者、外食産業、法人役員、自営業者についてアンケート調査が実施され、あわせて平成27年度の委託事業で実施した労働者に対するアンケート調査について、再集計・分析が実施されました。
平成27年度調査結果の再集計・分析では、
・『労働時間を正確に把握すること』及び『残業手当を全額支給すること』が、「残業時間の減少」、「年休取得日数の増加」、「メンタルヘルスの状態の良好化」に資すること、
・残業を行う場合に『所属長が残業を承認する』ことが、「残業時間の減少」、「メンタルヘルスの状態の良好化」に資すること、
などが示唆され、
・『最長の週の残業時間が30時間以上であること』、『ハラスメントがある職場』は、「メンタルヘルスの状態」が悪くなること、
などが確認されたということです。
厚生労働省では、今回の調査結果等について、今後とりまとめ予定の「平成28年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況」に反映させていく予定とのことです。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<平成28年度「過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業報告書」を公表します>
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000174205.html