大手コンビニで違法な減給
「大手のコンビニエンスストアの加盟店が、風邪でアルバイトを欠勤した高校生に対し、労働基準法で認められた限度を超える給料の減額を行っていた」というニュースが報道各社によって報じられています。
この会社の広報などによりますと、加盟店で、アルバイトの高校生が10時間欠勤したところ、欠勤分を減額した給料から、さらに10時間分が差し引かれていたということです。そして、給与明細には、「ペナルティー 10時間分9,350円」と手書きされた紙が貼られ、加盟店側は、「代わりの人を探さなかったペナルティー」と説明していたということです。同社では、「ペナルティーの理由が不適切で、減給の額も労働基準法に違反している」として、加盟店に高校生への謝罪と全額の返還を指示したということです。
労働基準法では、減給の制裁(ペナルティーでの減給)について「1事案については平均賃金(その人の平均的な1日分の給与)の半額を超えてならず、複数事案のトータルでは賃金総額の10分の1を超えてはならない」とし、その制裁を制限しています。高校生のその月分のバイト代の総額は、2万3,375円だったようで、今回の減給額(9,350円)は、明らかに労働基準法に違反となっています。
経営者は、労働時間に関するルールのほか、賃金の支払いや減給の制裁に関するルール(いずれも、労働基準法に規定)についても知っておく必要がありますね。
〔確認〕制裁規定の制限(労働基準法第91条)
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。