自動車部品製造会社の社員の自殺 長時間労働と上司の強い叱責(パワハラ)が原因で労災認定
「自動車部品製造会社に勤めていた男性が自殺したのは、長時間労働や上司の強い叱責(パワハラ)が原因だったとして、所轄の労働基準監督署が労災認定していたことがわかった。」といった報道がありました。
労災認定は令和3年8月2日付け。同年10月13日に遺族の代理人弁護士らが会見を開いて明らかにしたものです。
遺族の代理人弁護士によると、自動車部品製造会社に勤めていた男性は、時間外労働が増えたことで平成29年(2017)年7月に休職し、その2か月後の9月に自宅で自殺に至ったということです。
男性は、平成29年1月から通常業務に加え、機械を導入する資料作成の担当になったことで、1か月の時間外労働が100時間を超えていたほか、上司に強く叱責されることもあったということです。
労働基準監督署は、長時間労働などによる心理的負荷が自殺の原因として、労災認定したということです。
企業としては、長時間労働とパワーハラスメント(パワハラ)が重なると、社員の自殺・労災認定につながる可能性があるということを念頭に置いて、長時間労働、パワハラともに、防止対策を講じておく必要がありますね。
これを機に、精神障害について、労災認定がどのような基準で行われるのか、今一度確認しておきましょう。
「心理的負荷による精神障害の認定基準」の概要や考え方をまとめた厚生労働省のパンフレットを紹介しておきます。
<精神障害の労災認定>
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/dl/120427.pdf