パワハラの控訴審 間接的な退職強要も認める
「医療機器販売会社に勤務していた女性4人がパワーハラスメントを受けたと訴えた裁判の控訴審で、10月18日、東京高等裁判所は、会社側の主張を退け、パワハラがあったと認めた1審の判決を支持したうえで会社側に慰謝料などを増額して支払うように命じる判決を言い渡した。」という報道がありました。
判決によりますと、同社に勤めていた女性4人は平成25年4月、常務から「50代はもう性格も考え方も変わらない、転勤願いを出せ」などと言われ、うち係長2人は、その後も「辞めてもいいぞ」などと繰り返し言われていたそうです。そのため、4人は同年9月までに退職したとのことです。
侮辱的な発言を繰り返し受けていたのは女性のうちの係長2人でしたが、裁判長は残る2人も「職場で見聞きし、間接的に退職を強いられた」と認め、一審のほぼ倍となる計約660万円の支払いを命じました。
一審判決では、発言を受けた係長のうち1人だけが退職を強要されたとしていました。
見せしめ的に特定の人に退職強要をするケースも見受けられますが、この判決では、そういったケースについて、間接的な退職強要もパワハラとして認められた形になります。
ここ最近、パワハラの話題がよく報道に上ります。被害を訴える労働者が増加していることは明らかで、防止対策の強化が求められています。
会社のトップや管理職から意識を高め、パワハラのない職場を作り上げていくことが重要です。その際、今回の控訴審のような事例にも留意する必要がありますね。
なお、厚生労働省では、パワハラの専用サイト(明るい職場応援団)を作成するなどして、防止対策を呼びかけています。
パワハラの基礎から裁判例、他社の取組みまで、総合的に紹介されていますので、是非ご確認ください。
<厚生労働省のパワハラの専用サイト(明るい職場応援団)>
http://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/